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厚生年金長期加入者の特例について

長く働いた人への特別報酬制度である厚生年金長期加入者の特例

厚生年金は、役所や企業などに勤める人が加入する保険制度で、年金受給の場合は、基礎年金とこの厚生年金との二階建てで保険金が支払われることになります。
厚生年金でもらえる金額は、かなりの程度加入期間、つまり企業勤めをしてきた年数によって変わるという特徴があります。
当然、長く働いてきた人の方が、より多く厚生年金をもらえることになります。

そして、一定上の年数働いた場合は、いわば特別報酬として、特に支給額が加算されて支払われることになります。
それが、この厚生年金長期加入者の特例という制度です。

44年間以上働いた人に加算される厚生年金の制度

厚生年金長期加入者の特例は、一定期間以上働いた人に加算される特別報酬と言うことができますが、具体的には44年間以上働いた人というのが条件となります。
65歳に厚生年金から脱退するということであれば、21歳の時から企業勤めをしてきたということになります。

こうしたことから、通常大学卒業で会社勤めをした人は対象となりません。
一方で高卒での就職の場合は、高校を卒業してすぐに厚生年金に入っていれば、62歳の時点でこの対象となります。
また、中卒の場合はたいていのケースで厚生年金長期加入者の特例が適用されることになります。

厚生年金長期加入者の特例では、比例報酬という形で勤続年数で上乗せ分が変わります。
平均的には120万円プラスとなっていますが、多くの場合これより多い支給となりますので、年金支給合計額では250万円超となる人が多い傾向にあります。
厚生年金で通常もらえる分よりもかなり上乗せ分が大きくなりますので、この厚生年金長期加入者の特例が適用されそうなのであれば、ぜひ適用されるような働き方をした方が良いでしょう。

退職のタイミングを決める一つの要素となる

前述の通り、この厚生年金長期加入者の特例は、厚生年金加入が44年以上となった時に初めて適用されることになります。
そして、特別報酬のプラス分は大きいので、あと数年でこの制度を適用されるというタイミングであれば、退職してしまうのではなく仕事を続けて、なんとか特例の適用をしてもらった方が良いでしょう。

特に高卒で就職した人の場合は、62歳になった時点で特例適用となりますので、60歳での退職となってしまうと、あとたった2年で適用されるのに厚生年金から外れてしまうというもったいない目に遭ってしまいます。
そのため、退職のタイミングをこの厚生年金長期加入者の特例に適用されるかどうか、という観点から考えてみるのはとても大事です。
ちょっとした期間の差で、大きな加算額となりますので、きちんと計算して考慮するようにしましょう。